東京駅から電車で20分程でアクセスできる「新浦安」。
海沿いに広がるリゾートホテル、自然豊かな公園、商業施設が多く、まるでリゾート地にいるかのような美しい街並みが広がります。
そんな新浦安にあるお菓子屋「ラトリエ ドゥ ノノ」が今回の主役。
看板商品のフィナンシェやマドレーヌ、そして予約開始後すぐ満席になる幻のパフェなどは、遠方の方も足を運ぶほどの人気があります。
今回はそんなお店のシェフパティシエ・野々山さんを取材。シェフ自らが目の前で仕立てるパフェの美味しさの秘密、組み立て方、そして看板商品の焼き菓子に対する想いを聞いてきました。
2020年9月にオープンしたお菓子屋「ラトリエ ドゥ ノノ」。
新浦安は海の街ということもあり、店内は青と白を基調とした南フランスをイメージ。看板商品フィナンシェやマドレーヌなどの焼き菓子を中心に、季節毎に変わる生菓子が並べられています。
そんなお店で腕を振るう、シェフパティシエ・野々山裕司シェフ。
フランス菓子の父とも言われるガストン・ルノートル氏のお店「ルノートル」やリヨンの老舗ショコラトリー「セーヴ」で修業。
帰国後には、「ルノートル」の日本再上陸にあたり、スーシェフとして勤務するなど名店を渡り歩いた方です。
野々山シェフ
「焼き菓子を食べて頂けるお店にしたい。焼き菓子ってどうしてもケーキのついで、脇役のイメージ。華やかさはないが、ほっこりして香りがずっと続くお菓子なんです。紅茶と一緒に食べる時間が個人的に大好きで、そういった時間を提供したい。」
看板商品の焼きたてのフィナンシェやマドレーヌなどの焼き菓子を求めて毎日多くの方が足を運ぶ同店。そしてオープンから約1年後に始まったパフェは、完全予約制で爆発的な人気を誇ります。
お店をスタートして一年ぐらいでスタートしたパフェ。シェフ自らがカウンターの前で仕立てるライブ感満載で、予約開始後には注文が殺到するほど人気を集めています。
始められた経緯をお聞きすると…
野々山シェフ
「クレープやアシェットデセールなど出来立てで楽しめるもの、ライブ感あるものをずっと考えていました。そんな中で気を遣わずに食べられる、発掘する楽しさがあるパフェを選びました。」
毎月季節ごとに変わり、同じものは作らない、野々山シェフがこだわり続けるパフェは、どのように生まれるのでしょうか。
野々山シェフが作るパフェは“違和感”と“一体感”を意識されているそう。
野々山シェフ
「味に想像がつかない素材の組み合わせや、食感と温度の違和感を、食べ進めると口の中で混じり合う、そんな一体感あるパフェを目指しています。自分が使ったことがない素材を入れることにもわくわくするので、そういった素材もできるだけ取り入れるようにしています。」
食感と温度をも使いこなす野々山シェフ。食べたことある記憶から連想させ苦味や酸味などいろいろな味覚を組み合わせてパフェを作られています。
取材日に提供されていたのは、旬を迎えるラフランスを随所に使ったパフェ
「デリス・ド・オートンヌ」。
トップのラフランスチップで紅葉や落ち葉を表現するなど、秋から冬へと移り変わる様子が楽しめます。
香りの違和感として、山羊のチーズをヌガーグラッセに使ったところがシェフのチャレンジでもあるんだとか。ハチミツのメレンゲでチーズの風味と個性は残しつつも優しい味わいが口の中に広がります。
そしてラフランスをコンポート、クリーム、ソルベ、キュイ、チップに、一押しのノノフィナンシェを低温のオーブンで12時間じっくりと乾燥させたサクサクフィナンシェロッシェなど何層にも構成されたパフェはまさに職人技。
トップのチップは、ラフランス、グロゼイユ、カシスを低温のオーブンで6時間ほど乾燥されているそうで、パリッとした食感と3種の違う味わいも楽しめるパフェ。
クセのある山羊のチーズが、野々山シェフの手によっていろいろな素材と混じり合い一体感が生まれ、最後にラフランスの香りが余韻に広がります。
2度もオーブンに入れじっくり火を通したヘーゼルナッツを混ぜ合わせた「焼きたてフィナンシェ」。
表面はサクッ、中はしっとり食感の絶妙な焼き加減。口に入れると後からヘーゼルナッツの香りが追っかけてきます。
そしてフランスの高級バター「レスキュール」を使った「グランマドレーヌ」。
フレッシュさもあるクリーミ―なバターが噛めば噛むほど伝わってきます。ボリュームがありながらもパサつきがなく小麦粉の良さを最大限に引き出した一品。
同じものは作らない、一か月に一度の驚きと楽しみを与えてくれる渾身のパフェ。そして何度も何度も試作を繰り返した焼き菓子。野々山シェフの想いが詰まったお店です。
About Shop
「ラトリエ ドゥ ノノ」
千葉県 浦安市 日の出 1-3-1
営業時間:10:00~18:00
定休日:火曜日
公式Instagram:@latelie_de_nono
※パフェは完全予約制で電話または店頭で受け付けています。
Takuma
インスタグラマー
都内のパティスリーやホテルのカフェを中心に巡り、その美しい写真と丁寧な文章にファンも続々。パティシエ界や編集長も注目のウフ。スイーツ男子部第一号
Instagram(@k.takuma.happy)
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