ビーントゥバーや高級ショコラに触れるはるか前、小さな子供の頃から慣れ親しんだ「LOTTEのチョコレート」。
大手メーカーならではの影響力を発揮した、「人々のウェルビーイングのため」にカカオの可能性を最大限に広げる「DO Cacao PROJECT」はご存知ですか?
10/29LOTTE初の体験型カカオ専門店としてOPENした「LOTTE DO Cacao STORE」を取材してきました。
DO Cacao PROJECTとはなんなのか、どう関係するのかもレポートします。
LOTTE DO Cacao STOREは渋谷駅A12口から徒歩で約7分ほどのところにあり、2階はカカオ栽培を行う土地をイメージしたBGMや、現地の動画を楽しめるイートインスペースになっています。
2022年にロッテにjoinしニュースとなったビーントゥバー ブランド「Dari K」が独自に開発したカカオグラインダーを活用し、産地ごとのカカオの味わいの差を最大限に楽しめるカカオドリンクや、スイーツが堪能できるお店です。
また、プロジェクトの理念に沿ってチョコレートの加工時に取り除かれるかカカオ豆の外皮に当たるかカカオハスクを「壁材」「再生紙」「ユニフォーム素材」に活用するなど「知れば知るほど楽しい」カカオやショコラの世界を体現した店舗になっているのも特徴です。
About Shop
「LOTTE DO Cacao STORE」
インスタグラム:@lotte_docacao_store
住所:東京都渋谷区神南1-8-11
営業時刻:11:00~19:00(L.O18:30)
定休日:なし。(年末年始の休業予定あり)公式インスタグラム等参照
このプロジェクトは、「”素材のポテンシャルを最大限に引き出した最高のチョコレート”をお客様に提供するために、カカオ豆の生産から携わりたい」という思いがきっかけで2015年にスタートしたものだそう。
チョコレート自体にこだわったゆえのきっかけでもあるが、現地に雇用を発生させ、チョコレート製造工程で出るカカオハスクから作られる環境に配慮したパッケージや衣類と新たなカテゴリの商品開発など、社会問題に貢献するプロジェクトともなっています。
さらに、自社栽培であるからこそ可能になる栽培・発酵過程での実験実証を経て、原材料からこだわり抜いたチョコレートの生産にも繋がっています。
豆の輸入を前提とした「ビーントゥバー」が日本でトレンドとなった時点で、生産に適した土地探し、また適合した苗探しから行う「ファームトゥバー」に近いスタイルでアプローチを開始している点は流石の一言に尽きます。
なお具体的には、長らく約8割と高い自給自足率を維持し、人口増加によりその限界も叫ばれてきた「パプアニューギニア」の高品質カカオに着目、同地域で現地の人々と連携、雇用を生みインフラ整備等も行いながら苗を育成、カカオの発酵試験なども試行錯誤して取り組み「DO Cacao chocolate」というチョコレート( 現在は販売なし)を発表しました。
パートナー企業とも取り組む共創実験型プロジェクトとして、マイクロブルワリー新潟麦酒とともに「CACAO &HOP」( 現在は販売なし)他も開発に取り組み、今回の「LOTTE DO Cacao STORE」の商品提供にも繋がっています。
今回筆者がいただいたのはTASTING Cacao[drink](ドリンク3種類)¥550とCacao WRAP ¥660
チョコレートの資格を持つスイーツライターとして、いろんなブランドのCacaoドリンクをいただいてきましたが驚くほど味わいが濃厚。
専用グラインダーでカカオ豆そのものの風味をよりダイレクトに残しているドリンクです。
ロッテのチョコレート名ともなり、高品質なカカオの安定した産出地として知られる「ガーナ」のナッツ調の穏やかな味わい。
このプロジェクトのキモでもある「パプアニューギニア」はフルーティーさと共にインパクトのある渋みやと清涼感で複雑な奥行きのある味わい。
さらにDari Kとして現地小規模農家と同プロジェクト同様の取り組みを続けてきた「インドネシア」からは独特のスモーキーさとフルーティーな酸味の共存する風味を堪能することができます。
Cacao WRAP は、これら3つカカオの味わいの差を生かしたレシピで、味わっていると一般的な「チョコレートスイーツ」の単調さ、重さを感じることなく、カカオの持つ酸味やスモーキーな風味で後味よく楽しむことができます。
筆者としては、これらのメニューを「この価格」で出せること自体がLOTTEならではだと感じました。
大量の輸入製造がある企業でなければ、やはりそのコストは製品に大きく乗ってしまうため、ショコラトリーブランドではここまでリーズナブルに楽しむことは難しいのではと感じます。
2階イートインでは、カカオ生産地域の環境を実感できる音、動画も楽しむことができ、フォトブースやカカオハスクで作られた消毒アルコール(非売品)など「体感」できるコンテンツがたくさん。
ぜひ一度訪問してみて、「チョコレートなんてどれもそんなに変わらない」と思っている方がいたら、ワインのテロワールのようなチョコレートとカカオの世界を堪能してみてください!
azuma(蒼蓮)
チョコレートと日本酒のライター
チョコレートが好きすぎて、仏ショコラティエブランディングにも携わっていた、チョコレートエキスパート・日本酒唎酒師資格他を持つスイーツ系ママライター。
伊勢丹新宿公式サポーターイセタニスタ他(@azuma0326)
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